原稿トピックス

心のこもった寄付金は、苦学する在日コリアン学生たちへの力強い励ましとなっています。
以下の文章は、2022年度奨学生、冠奨学金受給者の感想文の一部です。
学生たちの真摯な言葉から、寄付者のみなさまへの感謝の気持ちをお察しいただければ幸いです。

 

高校生

 

私は大学の外国語学部に進学し、外国語に関する専門知識はもちろん、日本社会や同胞社会だけで

なく、世界を見る広い視野やさまざまな観点から多様な考えを持てる力を育てていきます。そして

在日同胞社会の明るい未来を担っていく責任を持ち、社会を最前線で牽引できる存在になります。

ご支援をいただいたことに恥じぬよう、四年間学業に専念できるよう努力いたします。(女子)

 

私の夢は大学で美術を学び、在日同胞社会や民族教育に恩返しをすることです。

母子家庭である我が家の経済状況を顧みると、これまで学校の運営費や電車・バスでの片道二時間

半の交通費を払うのに苦労した母の姿が思い浮かび、自分の夢を断念しようかとも考えました。

しかし、今回このように奨学生としてご採用いただけたおかげで、心おきなく自分の志した進路を

選択することができます。(男子)

 

私は大学で工学を専門的に学びたいと思っています。今はインターネットなどが発達して、

誰もが使うようになりました。そのインターネットなどで朝鮮学校が話題に上がれば、

必ず心無い言葉が多く書かれます。それらを見て悲しむ後輩たちをなくすのが私の目標です。

このたびはご支援、ほんとうにありがとうございました。(男子)

 

小学三年の時に両親が離婚し、母が女手一つで僕たち兄弟を育ててくれました。母のために

自分自身は何もできず、やるせない気持ちでいっぱいでした。僕が母のためにできることは、

勉学をしてサッカーに本気で取り組むことですが、どうしても金銭的に難しい部分がありました。

そんな中で今回奨学金給付のお話をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

幼い頃から抱いていたプロサッカー選手になる夢を叶えるため、奨学金をいただいていることの

自覚と感謝の気持ちを忘れずに、日々精進してまいります。(男子)

 

舜榮奨学金(大学生)

 

この度は、奨学生に採用していただき、まことにありがとうございます。

母の精神疾患とがんの介護が続く中、学業を続けることが非常に苦しかったため、

今回の奨学生採用は、言葉では言い表せないほど救われました。

私は韓国にルーツを持つことで、日本では韓国人と、韓国では日本人と呼ばれ、私の帰る場所は

どこにも無いように感じました。そこで私は、国などに関係なく多くに人々に貢献できる医療の

道を選びました。また、コロナの影響で日常が変わり、苦しむ人々を助けるため感染症の研究を

進めようと思います。来年からは病院での実習が始まります。この度、財団、寄付者の方々に

いただいた大いなる応援を思い出しながら、患者様を支え、熱心に勉強したいと考えます。

これからは母の介護を行いながらも自分の日常生活を取り戻し、より多くの人へ貢献できるよう

工夫し、学業・研究・課外活動に挑みたいと思います。

本当に心から感謝いたします。(薬学部、女子)

 

この度は、舜榮奨学金の給費生に採用していただき、ありがとうございます。

私は将来、同胞社会の自然科学分野の発展、そして次世代の同胞科学者、技術者の育成に貢献でき

る者になることを目標としています。その目標を達成するために、理工学部に入学することを志し

特に生物分野を専攻することを決心しました。

支援下さったご厚意に感謝し、自身の目標達成のため研究に励んでいきます。(理工学部、男子)

 

舜榮奨学金は、朝鮮学校を築き、守り発展させたるために全身全霊を捧げた先代の想いを引き継ぎ

私たち3世・4世が世界に羽ばたく人材に育つよう創設された制度であり、私たち学生はこれからの

在日同胞社会を担っていく希望であり期待をされているのだと実感するようになりました。

今回こうして、公益財団法人在日朝鮮学生支援会(舜榮奨学生)の奨学生として採用されたので、

それに恥じぬよう、また、その期待に応えられるよう日々の勉学にこれまで以上に熱意をもって

励んでいきたいと思います。(体育学部、女子)

 

信用組合奨学金

 

私は幼稚園から民族教育を受けてきた中で、数えきれないほどの愛情を受けてきました。

ウリハッキョに通っていなければ今の自分はないと思います。これまでの人生を通して在日同胞

社会からもらってきた愛情や期待に応えるため、また、少しでも恩返しをするために、卒業後は

信用組合を中心とした同胞社会の経済活性化に寄与し、今回自分が助けていただいたように、

将来は困っている人を助けられるような人間になりたいと思います。(外国語学部、男子)

 

両親や兄たちには今までたくさんの迷惑をかけましたが、私のことを支えてくれました。だから

こそ次は、両親にも兄にも、私が力になりたいと思いました。アルバイトをして少しでも足しに

しようと思いましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大学に通いながらアルバイトを

できず、夏休みや冬休み等長期の休みの時にアルバイトして自分の生活費の足しにしています。

今回、奨学金のご支援のおかげで、両親への負担も減らし、家族の力になることができました。

ご支援を頂いたことに恥じぬよう、最後まで真面目に学生生活を送り、また家族のみんなの支え

となる立派な人間になれるよう、今後も一層の努力を行って参ります。(経営学部、女子)

 

ハングル・朝鮮史研究奨学金

 

今回支援していただく奨学金を、大学に在籍し研究を続けるための学費の軽減にあて、経済的な

負担が緩和されることで、勉学により一層の熱意を注いでいく所存であります。

現在行っている『反日種族主義』の研究を深めることで、その理論的核心を捉え、近代朝鮮史に

おける慰安婦問題,植民地過去清算問題の深層を追究し、朝鮮半島統一のための研究として

真摯に取り組んでいきたいと思います。また、この研究に心血を注ぎ、日本社会において

在日朝鮮人が自らのアイデンティティを保持し、朝鮮民族として正しい歴史認識を持つための

足掛かりになるよう精進いたします。

残りわずかな学生生活ですが、奨学生の自覚をもち勉学に努力して参ります。(教育学部、男子)

 

私は幼い頃から体系的に民族教育を受ける中で、朝鮮語をより深く学び、いつしか民族教育の

教壇に立ちたいという夢を抱き大学に進学しました。同時に、奨学生としてより高い志を持ち、

これから勉学により一層励むことを決心しております。特に朝鮮語の勉強と資格取得を基本に

行い、卒業研究にもますます力を入れ、今後の民族教育に貢献できる論文を執筆していきます。

奨学生として、受け取る奨学金に値する研究成果をあげ、勉学の成果を持って、今回の制度採用に

お応えしていきます。(教育学部、女子)

 

大学院生

 

私は将来、朝鮮学校の音楽教員として働き、音楽を通して子どもたちの民族のアイデンティティや

創造性を育むために、現在音楽教育を専攻して学んでいます。奨学生に採用していただいたことに

より、研究する時間、技能上達のための時間をたくさん確保することができるようになりました。

研究をしながら実際に子どもたちを教える実践ができるという恵まれた環境を最大限に活用し、

より良い研究成果をあげていきたいと思います。

今後、私は常に奨学生としての自覚と感謝の気持ちを持ち、奨学生として恥じないようにより一層

勉学に集中し励みたいと思います。(女子)

 

私は、朝鮮大学校へ進学した後、いつしか朝鮮学校に通っている学生たちの心のケアを施す者に

なりたいという想いを抱き始めました。朝鮮学校へは未だ導入されていないスクールカウンセラー

に自らがなり役割を果すことが、私自身が在日同胞社会へできる最大の貢献だと思っております。

現在、勉学とアルバイトで忙しい中、奨学金のおかげでアルバイトの時間を短縮することができ、

勉学の方に集中して取り組むことができております。

今抱くこの想いはこれからも変わらず、近い未来、同胞社会の明るい未来を担う立派な一員と

なり、同胞たちの力になれるように、務めていきたいと考えています。(女子)